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2004年12月08日
店番
4月某日、私の姿は明らかに場違いと判るワイキキのお店のレジ前にあった。
何故このような事が起きたかと言うと、以前掲示板にも書き込んだ、
新しく引き受けたプロジェクトの一貫であり、
向こうサイドから「我が社の事をより理解して頂く為に色んなセクションを、
忙しく無い今、なるべく体験しておいて頂きたい」と言われたからだ。
当日私は言われていた時間よりも少し早く現場に到着した。
大人としては当たり前のマナーだろう。
責任者には何度も逢ってたのだが、この日は不在で、
お店の店長で有る女性と始めて対面した。
彼女はもちろん私の事を聞いてたようで歓迎してくれた。
簡単に店内を見せてもらった後、レジの打ち方を教わる。
しかしここのレジがレジと言うよりコンピューター!
IDやパスワードを毎回入力しないと値段のスキャンも出来ないし、
色々お客さんに聞かないとイケナイ情報
(ここで情報内容を明記すると何の店か一発でバレルのであえてはぶかして頂く)
が次ぎ次ぎとポップアップするので、
それらのコマンドを統べてこなさないと 客に物も売れないのである!
アナログ派の私としては商店街に有る、八百屋のように
天井からゴムひもで釣ったザルに
売り上げを入れたり、おつりを出したりするほうが得意なのだが、
初日からナメられてはイカン!という
強い気持ちから、理解出来てなくても判る振りに徹する事にした。
そのあさはかな行為があの事件のプロローグだったとは、
餌食いに夢中になり過ぎて、
干潮という海の一番の法則を忘れ
浅瀬に取り残された
死にかけのカワハギでも気がついたと思う。
一通り教わった後、
「じゃーもう大丈夫よね、判るでしょ」と
自分よりも一回り以上若い店長さんにタメグチで聞かれた時、
私の良心回路はショートし
「出来るよ」と
心にも無い事を口走ってしまったのである!
「じゃーよろしく〜〜」と何処かに消えて行く店長さん
「お願い行かないでくれ」と心の中叫び続ける私。
店長さんも居なくなり一人でレジ前に立つ私の姿に比べれば、
大雨の日に捨てられ、ミカン箱の中で新しい飼い主を待つ子犬が
グラマラスに見えたかもしれない。
取りあえず今日は2時間の約束だし、客も少ないので
このレジを触らなくて良い事を無宗教の私は祈り続けるしかなかった。
その時で有る!イキナリ客が入ってきたのだ!
店長さんから「これ読んどいて」と言われたマニュアルの中に
「客が入店したら必ず、コンニチハ、いらっしゃいませ、
もしくはアロ〜ハと言う事と書いてあったので、
私はレジも打てないのに
「こんにちは〜」。
しかし、
私のルイ・アームストロングより
低くしゃがれてる声に反応は無く、
目線も合わせず店内を物色し始めるお客さん。
この時私は心の奥底で「頼む!頼むから何も買わないでくれ!」と連呼していた。
客が何かを手に取る度に額には 玉のような汗が
一つ、二つとアップグレードされていく。
あそこで誰かに「スイマセン〜〜」と後ろから肩を叩かれようものなら、
その大粒の冷や汗は私の足にすっかり馴染んだナイキを濡らしたに違い無い。
散々見た後そのお客さんに私の心のシュプレヒコールが伝わったのか、
何も買わずに出て行ってくれた。
その後も何組かお客さんは来たのだが、皆見て行くだけで何も買わないでくれた。
2時間後店長さんが帰って来て、「どうだった〜」と言われ、
私は又もや強がり「あ、全然平気!」と
無事任務を終えた開放感にも後押しされ、
心にも無い事を再び後先考えずに口ばしってしまう。
本当は精神的にクタクタで
車椅子が有れば飛び乗りたい位の気分だったのに、、
ここでの仕事の時は当初駐車場のフリーパスを貰えるはずだったのだが、
いろいろ有り、お金だけをまとめて一月分貰い、
自分で好きな所に停めてくれと言われた。
当然お金も前払いで、余ったお金は取って置いても良いと言われたので、
私はイキナリ路駐のスペシャリストに変身し、
なるべく金を浮かそうと何と物凄く遠い所に(ホノルル動物園の裏)車を停めてしまう。
行きは気にならなかったが15分ー20分位歩かないと車には着かない。
帰りは先に述べたように慣れない作業にクタクタで
永遠に車に着かないのではと思った。
気分は「母を訪ねて3千里」のマルコである。
その後3回程その会社に行ったがお店のほうに一人で放し飼いにされる事はなくなった。
今回のプロジェクトは何もかも新しく、やり終えた時には何らかの収穫があると思う。
レジ打ちなんて一度もした事ない事も体験できた。
一つ一つを楽しみながらやろうと思う私である
投稿者 morty : 2004年12月08日 15:00