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2004年12月07日
第九回 エッセイ 「プロの世界」後編
当日、会場に着いた僕は、一般の入場口の横にあった「招待者、関係者」と書かれた入り口で、
自分の名前を受け付けの人に言うと、ゲストパスを貰い、入場しました。
会場内に入ると、すぐクロークが「上着をお預かりします」と声をかけてくれました。
「違う、何もかも、、ここは屋根裏じゃない!」
戸惑いながらも上着を、クロークに渡し、僕は招待者席に着きました。
会場の中も、僕が演奏してる所とは全然違うきらびやかな雰囲気で大感動!
会場は3階に分かれており、1階が一般の入場者。2階はキャバレーでは無く、
ディナーを食べながらショーを見れる特別席、
そして3階が招待者用のセクションでした。
開演時間が近くなるにつれ、会場には沢山のお客さんが入り、すぐ満席になりました。
そしてしばらくすると演奏が始まりました。
さすがプロ!全然アマチュアとは違う
皆メチャクチャ上手いし、音もいい!
沢山のゲストも出演し、テレビで観た事ある人達の横で
ギターを弾くO君が輝いて見えました。
当日はO君の他にもう1人ギタリストがいました。
その人は何回もトップテンヒットを出したバンドのギタリストでした。
こんなミュージシャンと肩を並べてるのかと、僕は圧倒されっぱなしでした。
コンサート終演後、僕は再びやる気とパッションに満ちあふれていました。
O君の姿を観て、自分に再びエネルギーが戻ってきました。
自分も頑張ればいつかあそこ迄行ける、明日からまた頑張ろう!
と前向きな気持ちで会場を後にしました。
そして それからしばらくして、僕はT君と出会い
(T君の事はエッセイ「二人で頑張ろうよ」
で書いてますので、興味のある方は是非そちらを御覧下さい)
再び自分の目標に向かって歩き出しました。
その後のO君ですが、数年後、
「実家の事なども有り、音楽を辞めるかも知れない。
プロの世界はいろんな意味で厳しい」と
電話をもらいました。
僕はO君に「あの日招待して貰ったコンサートで、
僕は大きな力を貰った、友だちだから言ってるのでは無く、
O君には才能が有るし、僕が唯一憧れてるギタリストだ、
もう一度だけ考え直してくれないか?」と彼にお願いしました。
それから数カ月後O君から電話が有り、
彼は「もう一度頑張ってみるよ」と言ってくれました。
プロになると月給が貰える。しかしそうなると事務所はこき使う。
自分のバンドで契約してるのならともかく
ギタリストとして契約してたO君はやりたくもない現場も沢山やらされ、
自由でやりたい事をやりたいように出来た
アマチュア時代とのギャップを大きく感じたのだと思います。
それからスケジュールが一杯で、
自分の一番の夢だった自身のバンド活動をする時間が
一切無くなったのも彼がプロ(セッションミュージシャン)の世界が
嫌になった原因かも知れません。
ミュージシャンには大きく分けて2つのタイプが居ます。
ここではスペースの都合もあるので、おおまかにしか説明出来ませんが、
一つは「スタジオ、セッション系」
そしてもう一つが「アーティスト系」です。
最大の違いは、「スタジオミュージシャン」、
もしくは「セッションミュージシャン」として食べて行くには、譜面も読め、
様々なスタイルをこなせないとイケナイ。
得意、不得意が少なければ少ない程ミュージシャンとして価値があります。
しかし逆に言えば何でも卒なくこなせる故、個性が無いとも言えます。
普通の職業で言えば有能なサラリーマンに一番近いと思います。
最近は打ち込みが多くなりましたが、アイドル、CMソングなどのレコーディングを
主にやってるのがこのタイプのミュージシャンで、
殆ど表舞台に出て来る事はありません。
そして、 もう一つのタイプがアーティスト系です。
最近はアーティストという言葉がバーゲン売りされ、
誰でもアーティストになりましたが、
この分類に属するミュージシャンは
自身のバンド、もしくは自分のサウンドや作品に
細部までこだわる人間が多く含まれてます。
もちろん譜面など読めない人も沢山います。
理由は自分の曲、もしくは好きな物しか演奏しないからです。
そして前者との最大の違いは
個性(ルックス、サウンド、全て)を全面に出し、スタイルを絶対に変えない所です。
普通の職業で言えばこだわりのラーメンを作る頑固親父だと思います。
後者の良い例をマイケル・ジャクソン「BEAT IT」という曲で聞く事が出来ます。
この曲はマイケルにしては珍しくロック調です。ギターソロの部分で、
プロデューサーのクインシー・ジョーンズは、当時、売れ始めてたロックバンド、
「VAN HALEN」のギタリスト、エディー・バンヘイレンを起用しています。
エディーはアーティストタイプのギタリストで
、例えマイケルのアルバムであろうと容赦なく、自分のスタイルで弾いていますが、
これが実に上手くはまってるのです!
これはもちろんエディーをそこで起用したプロデューサーのセンスの良さが勝因ですが、
このレコードを最初に聞いた時は本当に驚きました
プロの世界の厳しさに気がつき、それらをふまえ、自分は何処を目指してるのか?
そこに行けるのか?などに気がつき始めたのは音楽の世界で10年が過ぎたこの頃でした
投稿者 morty : 2004年12月07日 11:37