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2004年12月08日
第十一回 エッセイ 「PRESENT」
前書きとあらすじこのお話は、僕が東京で音楽に打ち込んでいた時代の話で、すべて実話です。
過去にも掲示板に、少しずつですが、僕がアメリカから東京に行ってからの事、
このエッセイにも登場する「T君」、
そして在籍してたバンド「R」の事などを書き込んでいますので、
今回初めて僕のエッセイを読んだ方、
叉は始めてEXTREME FUN HAWAIIに遊びに来た方で興味のある方は、
ぜひ掲示板の過去ログを御覧下さい
「R」を解散させた後、僕はT君と共に新しく「D」というバンドを始めました。
しかし、活動を始めてすぐ、T君は残りのメンバーと、どうしても合わず、
そのグループを脱退してしまいます。
「R」が解散した時、すぐに僕のピンチを救ってくれたT君を、
その時僕はバックアップし、共に脱退するべきだったのか、僕は今尚判らないのですが、
4ー5年前に「T」君と食事をした時、
彼は僕に、「あれはあれで良かったんだよ」と笑顔で言ってくれました
「D」の活動は決して楽な物では有りませんでした。
今迄僕がやってた音楽の方向性とは全然違う物を演奏してましたし、
僕自身も成長し、風貌、ギターのスタイルなどが変わった為、
今迄僕を観に来てたお客さんもじょじょに離れて行ったのです。
もちろんバンドだけでは食えず、メンバー全員バイトをしてました。
僕も水道工事、ビデオ屋、洋服店、ラブホテル清掃と
(ここでは場所柄、色んな不思議な出来事を沢山目の当たりにしたが、
あえて掘り下げるのは自粛させて頂きます!) 何でもやりました。
どうせバイトをするなら、
何か自分のキャリアに役立つ事をしたほうが良いのでは無いかと 考え始めたのは、
音楽をやめた知り合いが偶然他のバンドを観に、僕も出演してたライブ会場に現われ、
最近レコード会社に就職したと聞いた時です。
彼に「バイト募集してる?」と聞くと、
「時々募集するから、今度募集する時には連絡するよ」と言ってくれました。
それから約1年後、彼から電話が有り、
「バイトに空きが出来たので、やらないか?」と言われ、
僕はすぐ、当時やってたバイトを辞め、そのレコード会社で働くようになりました。
そしてそこで僕は、すでにその会社でバイトをしてた、
現在も僕の良き友人であるKOZYと出会いました。
レコード会社で働き、今迄は空想の世界でしかなかったビジネスに触れる事が出来、
過去にしたバイトよりは音楽の世界での成功を志す自分には大きなプラスに成りました。
レコード会社でのバイトをしながら、自身のバンド「D」の活動も続けてたある日、
義父(母親の再婚相手)から電話が来ました。
当時、義父が勤めていた会社が、
NBA、ニューヨーク・ニックスのバスケットボールプレーヤー、
パトリック・ユーイングのライセンス商品の販促活動を請け負う事になり、
それに合わせてパトリック・ユーイングが来日するので、
「通訳として仕事しないか?」との事でした。
義父の会社と共にユーイングの動きなどを担当してたのが、
その頃僕の在籍するバンド「D」のライブを時々観に来てた
日本では当時最大の海外アーティストプロモーターだった「U」という会社でした。
もちろん僕は二つ返事でOKしました。
ユーイングの現場での仕事を買われ、僕は「U」から、
「これからはうちで働かないか?」と言われ、
しばらくはレコード会社のバイトと掛け持ちしてたのですが、
「U」の仕事でツアーに出ると、二週間位は全国を回るので、
レコード会社のバイトも休みがちになり
、僕はお金も良く、面白味もあった通訳の仕事に専念する事にしました
「U」では、沢山のアーティストに同行し、
同じ音楽業界で生きようとしてた僕は沢山の事を学びました。
ジャネット・ジャクソン、ローリング・ストーンズ、などの大物とのツアーもこなし、
まじかで彼等を見れたのは、普通のコンサートを100回観る以上に勉強になりました。
そんなある日、「U」から電話があり、
「今度、3週間の長いツアーがあるんだけど、やらないか?」と言われました。
その時のバンドは、日本、アメリカで大ブレイク中で、
今回は鹿児島〜札幌と日本全国を隅々まで回ると言う事でした。
仕事でツアーに出てる最中はバンドの練習も休まないとイケナイので、
バンドの皆に状況を説明し、僕はそのツアーに出る事にしました。
通常海外アーティストのツアーは1〜2週間だったので、
これはかなりの長いツアーで、僕も始めての経験でした。
3週間のツアーは大変でしたが、僕は毎日、一緒に移動や食事などを繰り返す内に、
じょじょにそのバンドのシンガーだった「E」と仲良くなっていきました。
それまでに様々なバンドとのツアーを経験し、色んな人(アーティスト)がおり、
必ずしも彼等は、自分、もしくはファンが持ってた
イメージと一致しないのを解ってた僕は、
こんなに売れてるのにニュートラルな「E」に僕は驚きました。
移動中は隣同士に座り、僕は自分のバンドの事を聞いて貰ったり、
曲を作る上でのアドバイスなどを沢山してもらいました。
ある日、夕食が終わり、部屋へ戻ったら、
僕の部屋のドアを誰かがノックするので、開けてみると、
「E」で「これ観ようよ!」と、
フロントで彼が借りてきた「エイリアン 2」のビデオを
二人でビールを飲みながら観た事もありましたし、
ツアー中、風邪をひいた彼を病院に連れて行った事もありました
長かったツアーも終盤にさしかかり、最後は「日本武道館」4夜連続公演を残すのみとなりました。
東京への移動中、「E」は僕に、
「東京は楽しみだね!武道館だよ!それから又あの美味しいディナーも食べれるし、
もちろんMORTYも来るよね?」と聞かれました。
「E」の言ってるディナーとは、その会社では恒例のディナーで、日本滞在中、
1度だけ、六本木の高級レストランで「U」の社長がバンド全員を招待して行われる物で、
僕や車の運転手達は、彼等をレストランで降ろし、
近くの安い中華料理屋で食べ、彼等の食事が終わるのを、
レストランの外で待つのが通常で、中へは入れませんでした。
僕が「E」に
「あのディナーは唯一社長が皆と過ごせる大事な時間だから、僕達は行かないんだよ」と説明すると
「そうか、、、」と「E」は少し残念そうでした。
武道館でのショーも連日満員で、凄く盛り上がりました。
彼等を観て熱狂するファンを観て、「いつかは自分も!」と思いました。
そして武道館3日目の夜、サウンドチェックを終えた「E」と僕は
会場の裏に作られたケータリングに居ました。(臨時の食堂のような物で、
ツアー中はどのバンドでもバックステージに用意され、
ここで食べ物、飲み物などが貰えます。もちろん無料なので、
僕もツアー中はお金を浮かせる為、常にここで食べてました)
すると「U」の社長が現われ、
「E」に「この度は素晴らしいツアーをありがとう。
それから今日は君の誕生日だろう、何か欲しいものはないかい?」と訪ねたのです。
僕はその日が彼の誕生日だったとは知らなかったので少し驚きました。
しかし社長は今迄にもジャパンツアー中に誕生日を迎えた人に、
最新のビデオカメラ、真珠のネックレスなどをプレゼントしてたのを僕も知ってたので、
誕生日を迎えた「E」に何かをあげるのは別に珍しい事では有りませんでした。
「
E」はしばらく考えていました、、、
そして、 しばらくすると社長に「何でも良いのですか?」と聞き、
社長は「もちろんだよ」と答えました。
すると「E」は
「それでは僕の誕生日のプレゼントとして、MORTYを
今晩のディナーにゲストとして招待して頂けないでしょうか?」と言ったのです!
これには呑んでたコーヒーを吹き出しそうになりました
「こいつは何を言ってるんだ?!」
ここで「フェラーリ下さい」と言ってもくれるかも知れないのに!
社長は一言「わかったよ」と言うと、その部屋を出て行きました。
社長が居なくなってすぐ、僕は「E」に
「何を言ってるんだ?せっかくの誕生日なのに!」と言うと
「E」は「今回のツアーでお前が一番働いてた、お前が来ないほうがおかしいよ」と言ってくれました。
コンサート終了後、僕はバンド全員と、今迄、表にしか立った事ない、
そのレストランに移動し、長いテーブルの一番端ですが、座り、皆とディナーを食べました。
社長もこの日だけは僕を皆と同じようにゲストとして扱ってくれました。
「E」も始めて観た料理の食べ方が解らない僕に、
「これはこれにつけるんだよ」と丁寧に教えてくれました
ホテルに戻り、自分の部屋から僕は「E」に電話をしました
「本当にありがとう、今日して貰った事は忘れないし、
自分もいつかビッグになり、
その時は誰かに同じような事をしてあげたい」というと
「E」は笑いながら「何言ってるんだよ、当たり前じゃないか、
WE`RE FRIENDS RIGHT(俺達友だちだろう)」と
言ってくれました。
この言葉には感激し、涙が止まりませんでした。
僕もこんな人間になりたい、純粋に彼がカッコイイと思いましたし、
彼を目標にしたいと思いましたし、もちろんその気持ちは今も変わっていません。
僕が尊敬してやまないこの男の名前は「ERIC MARTIN:エリック・マーチン」で、
彼の当時在籍してたバンドは「MR.BIG:ミスタービッグ」というバンドです。
「TO BE WITH YOU:トゥー ビー ウィズ ユー」を始め、
数々のヒットを80年代後半から90年代前半に飛ばしたので、
御存じの方も沢山いると思います。
僕はその数年後、さらに大きなプレゼントをエリックから貰いました。
それはちかじか「PRESENT PART 2」として掲示板に載せます、
そしてそれを自分の音楽時代を題材にした最後のエッセイにしたいと思います。
投稿者 morty : 2004年12月08日 11:18